年始のDMのあいさつ文ですが、お葉書や手紙だけでなく、
メールでも激励のメッセージが届きます。
嬉しいです。
そのあいさつ文は非常に短いものですが、
印刷にかかる前の原文は、少し長いものでした。
短い文でも、言いたいことが伝わるよう、印刷屋さんに
校正していただいたもので、印刷屋さんに感謝です。
さて、いまさらですが、原文を紹介しておきます。
あけましておめでとうございます。げんぶ堂の岩本和久です。
昨年社長に就任してから、初めての新年を迎えました。
新たな気持ちで社員一丸となってげんぶ堂を盛り立てていきたいと思います。
さて、最近気になることがあります。
それは、せっかく興した会社を売って利益を得ることが流行しているようですが、
その風潮をとても残念に思っています。
「技術」を継承するのは、お金では解決し得ないものです。
私の場合は、運良く技術を継承することが出来ました。
私のげんぶ堂入社当時の名刺は「見習い」という肩書きでした。呆れるような肩書き
ですが、本当の話です。工場の掃除に明け暮れ、職人さんの手伝いをしながら
技術を少しずつ教えてもらったり、見よう見まねで技術を盗んでました。
餅つきから焼きの工程まで、一通りマスターするまでに何年も時間がかかりました。
技術は「体」と「頭」と両方で「わかる」もので、また、年毎に変わる気候や体調の
変化などで、どうしても技術の継承には時間がかかるものです。
そうして苦労して得てきた技術を、最近は廃業かお金で他社に売ってしまう風潮・・・。
日本の、もしかしたら世界の宝物にもなり得る技術を、そうして無にしてしまうのは
実に勿体無いことです。
弊社は、愚鈍でいいから、昔の味を継承した味を造り続けられれば御の字だと
思います。私だけが感じているのかも知れませんが、弊社は、素材の味がきちんとす
る米菓を造るのには、ちょうど良い大きさの会社だと思っています。
大メーカーでは、原材料の量がそろわないので、どうしても品質を妥協しがちで、
味付けでお米の風味を見えなくしてしまう傾向があります。
小メーカーでは、販売力が弱く、結果的に事業を続けにくいです。
げんぶ堂の米菓造りに対する理念では、自ずと、規模が決まってくるのかも知れませ
ん。でも、それでいいと考えます。
今後も良心に従って美味しい米菓を、皆様の元にお届けしたいと思います。
どうぞ今後のげんぶ堂を見守ってやってください。宜しくお願い致します。